2023年に発覚したWECARSの不正の内容と現在の状況まとめ

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2023年6月にWECARSで未だかつてない組織ぐるみの不正が発覚しました。

お客さんの車を故意に傷つけたりして、保険金請求を水増ししていたのです。

数件とかではなく1000件以上行われており、損害金額は50億円超。

この記事は、2023年に炎上した一連のWECARSの不正についてまとめています。

WECARSに関する記事は下記にまとめてあるので、あわせて参考になさってください。

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目次

今回の不正は自動車保険会社への修理費用水増し請求

事故車の修理で預かったお客さんの車に、不要な部品交換をしたり板金をしていました。

靴下にゴルフボールを入れて車をたたいたり、サンドペーパーで車を削ったり、、

これ、もうヤクザですよね。

日常的に1000件以上も行われていたんですから、消費者からしたら信用はもうゼロ。

もちろん店舗によって対応は違うと思いますが、一生懸命接客していた店舗ももうダメですよね。

[st-kaiwa6]行政処分も受けまくりでこの先どうなるのか。。[/st-kaiwa6]

WECARSの創業者で現社長の兼重社長は全報酬を1年間返還すると発表がありました。

ただ、それだけで済まされる問題ではないと非難の嵐。

当たり前ですよね。

そういった経緯で、今WECARSは大炎上しています。

WECARSが街路樹の除草剤散布を認めた

大分県中津店、神奈川で神奈川で3店舗、群馬県など複数店舗で除草剤をまいていた事実を認めました。

群馬県は街路樹の撤去費・土壌分析費用など、約400万円の損害賠償を求めています。

17本もの街路樹に意図的に除草剤が散布され、あらたに新しい木を植えるとのこと。

全国各地の店舗で除草剤による店舗前の街路樹伐採を認めています。

組織的にやっていたことがあらわになり、保険金だけでなく追加の賠償金額もすごいことになりそうですね。

WECARSが架空の自動車保険請求を結んでいた恐れが

従業員が自分の名前を使って展示車で自動車保険契約を結ぶという恐ろしい疑惑が出ています。

社員には自動車保険の契約ノルマも課されており、達成できない時に架空契約を結んでいたのではないかということ。

契約して数ヶ月後には解約するという明らかにおかしな契約で、損保ジャパン側で気付いたそうです。

自爆営業とメディアからも叩かれており、今後実態が明らかにされるでしょう。

ここまで不正が多いともはや会社としてどうなのかって感じがします。

損保ジャパンがWECARSとの保険代理店契約を終了

7/28に損保ジャパンがWECARSとの保険代理店契約を終了し、損害請求を行うことを発表した。

WECARSの保険契約の割合は損保ジャパンが一番多いですが、今回の一件を問題視した結果でしょう。

損保ジャパンからの出向担当者がWECARSの不正に気づいていたとの報道も。

不正のあった板金塗装部門にも出向担当者はいたとのことです。

出向担当者の不正関与については、第三者調査機関を設置して調べるとしています。

損保ジャパンとしても今回の不正で、お客さんからの信用はガタ落ちです。

今後の対応が鍵となりそうですね。

店舗前の街路樹を伐採。いろんな店舗でされていた

WECARSの店舗前の街路樹が意図的に伐採されていた問題。

埼玉県内の店舗でWECARS社員が、店の前の街路樹を伐採しているのを通行人が見つけた。

そこで聞いたら、本部の人間が来るからやっているとの回答があったとのこと。

大阪市内の店舗でも意図的に街路樹が伐採されていた。

伐採された街路樹からはどれも除草剤の成分が見つかっており、組織ぐるみで行われていたことがわかります。

元従業員によると除草剤は女子更衣室に保管されていたとのこと。

こちらも器物損壊で訴えられる可能性もあり、WECARSの今後が危ぶまれます。

WECARS元社員からの本当の声が続々と

工場長からは報告書の書き換えや店舗前の街路樹の除草剤など、今まであやふやにされていた内容がはっきりしました。

元従業員の方たちが本当のことをメディアに発表したのです。

金額の大きい修理について、元整備士の方は担当者の立ち会いなしで写真のみで対応していたとのこと。

損保ジャパンからWECARSへ出向している社員がいるのに、この対応です。

損保ジャパン側にも多少の問題があったのかもしれませんね。

WECARS内で使われていた社内LINEも全削除されました。

これら一連の不祥事に関わる内容を今後流出させないための防衛策と取られても仕方ありません。

WECARS兼重社長と副社長が引責辞任

7/25の記者会見で、WECARS創業者で現社長の兼重社長とその息子である副社長が退任することが発表されました。

経営陣は今回の不正については知らないとのことでしたが、本当なのでしょうか。

ゴルフ好きな人への冒涜だというコメントがありましたが、車の所有者に対する冒涜ではという意見も。

車を傷つけられた消費者への謝罪が最優先にあるべきですよね。

今回の退任で、現専務が社長になって新体制となります。

血に落ちた信用をどうやって取り返していくのか。

会見では不正は個々の工場長が単独でやったと言っていましたが、それで1000件以上も不正が出ませんよね。

本部からの数字によるノルマの影響なので、経営陣が知らないわけないでしょう。

多くの人がツッコミどころを感じたはずです。

不正行為は20年以上前から続いていた

2021年11月からの保険金申請は8427件。

その中で不適切な行為があったのは1275件と約15%で不正が発覚しています。

損保ジャパン・東京海上・三井住友海上の3社はWECARSに社員を出向させていました。

事故に遭った契約者にWECARSの修理工場を紹介していたとのこと。

損保ジャパンの出向担当者によると、工場長の指示による不正の可能性は把握していたそうです。

それでも動くことはしなかったため、不正は発覚まで続いてしまったのです。

不当な保険金請求は保険会社だけではなく、個人ユーザーにも影響が

自動車保険会社に請求する金額を水増ししていたので、損保会社には大損害です。

ただ、保険を使われている消費者側にも影響はあります。

本来の等級から下がってしまうので、その分翌年以降の自動車保険料が変わってしまいますよね。

知らない間に保険料が上がっているなんてことになるわけです。

[st-kaiwa6]何度も言うけど、ほんとヤクザの所業。[/st-kaiwa6]

お客さんにお客さんに申告している内容の修理と違うことをしているということ。

自動車販売店としても自動車保険代理店としてもあり得ません。

全国のWECARS店舗の4割で不正が日常的に行われていた

上述の不正は、WECARSの4割の店舗で行われていました。

全国に200以上の店舗があるので、80店舗くらいはこの不正に加担していたということになります。

組織的に不正を行っていた証拠で、全て上司の指示でやっていたとのこと。

WECARSの元社員のリークが多く、よりリアルな意見です。

工場長からの指示とありますが、その先には本部つまりは役員連中の指示であったということ。

[st-kaiwa6]1台あたりの修理金額のノルマが14万円だったらしい。[/st-kaiwa6]

事故の状況にもよりますが、14万かけようと思うと普通では難しい金額です。

その目標を達成するため、WECARS上層部は今回の不正を日常的にするよう指示していました。

熊本浜線店や宇都宮南店で不正車検が発覚し、行政処分に

2023年3月にはWECARS熊本浜線店で、指定取り消しと自動車検査員2人の解任命令がありました。

これらの処置は、九州運輸局からの行政処分。

内容は下記の通り。

[st-midasibox title=”熊本浜線店の不正” fontawesome=”” bordercolor=”” color=”” bgcolor=”” borderwidth=”” borderradius=”” titleweight=”bold”]

  • 速度計の誤差の検査未実施
  • 指定整備記録簿の虚偽記載
  • 検査なしの適合証に証明

[/st-midasibox]

これらの不正を58台の車両にしていたとのことで、不正車検が日常的に行われていたことがわかります。

2023年6月にはWECARS宇都宮南店でも同様の不正で行政処分を受けました。

指定自動車整備事業の指定取り消しと検査員2名が解任となっています。

どちらも業務の繁忙を理由にしていなかったとのこと。

事件の背景にはWECARSの厳しい売上目標があった

WECARSは売上目標と言われるノルマが厳しい会社で有名です。

各店舗には車の売上や修理など、細かに売上目標が設定されています。

この金額がかなりシビアで相当がんばっても達成は難しいような金額。

以前に車検見積もりをとったことがありますが、営業電話が本当に多くてうんざりした記憶があります。

営業マンからは何とか何とかという言葉しか出てこなかったことも。

朝日新聞の取材に応じた20代のWECARS営業マンの話を引用しました。

 関西地方の店舗で2021年まで中古車売買の営業担当として勤務していた20歳代の男性が、朝日新聞の取材に応じた。男性には、買い取りと販売それぞれ月5台がノルマとして課されていた。達成できないと、上司から「昼飯も食べるな」と厳しく叱責(しっせき)されたという。

 一方、売り上げが伸びれば給与にも反映され、手取りで月100万円もらったと話す同僚もいたという。

 現場を苦しめていたのは「環境整備点検」だった。男性によると、副社長らが全国の営業店舗を月に1回程度回り、掃除や整理整頓が行き届いているかなどを厳しくチェックする。前日から掃除を始め、終わるのは早くても夜12時、遅ければ午前2~3時にもなる。労働時間に含めることは許されず、「サービス残業」扱いだったという。

引用:朝日新聞デジタル

経営陣に萎縮して思うように仕事ができない感じの典型的なブラック企業ですよね。

何か言えばすぐに転勤や異動になるらしく、上司に口出しする社員はいなかったらしいです。

不祥事の影響でWECARS社員が約1000人退社

今回の不祥事の影響で、WECARS社員が約1000人退社しました。

トータルで5000人くらいの企業ですが、1000人も一気に辞めるとかやばいです。

社会的に与えた影響も図り知れないので、当然の結果と言えばそうですが。

今後も依願退職者は増えていくでしょう。

[st-kaiwa6]組織ぐるみの不正となれば、世間体も最悪よね。[/st-kaiwa6]

WECARSで働いているのは一番きついでしょうし、WECARSで車を買ったというだけでも糾弾されそうです。

僕のまわりは普段からWECARSを勧めていないので、影響を受けた人はいません。

WECARSの看板 佐藤隆太さんがCM契約を解除

WECARSのCMで顔である佐藤隆太さんがCM契約を解除しました。

これだけの不正で明らかな好感度ダウンが見込まれることから、契約解除に至ったとのこと。

7/20からWECARSのサイト上から佐藤隆太さんは消えています。

2017年からずっと出演してきましたが、さすがに痺れをきらした感じですね。

佐藤隆太さんが好感度ダウンを理由に損害賠償するかどうかは現時点ではまだ未定。

損害賠償請求は可能らしいですが、どれだけの金額がマイナスになったかなど不透明部分もあります。

一旦契約解除したことで、騒動は落ち着きを見せています。

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この記事を書いた人

元ホンダディーラー営業マン。中古自動車査定士・損害保険募集人資格の有資格者です。業界の裏話を交えて書いています。YouTubeでの配信も始めました。ご不明点やご意見はお問い合わせかYouTubeのコメントからお願いします。

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