車を査定するときに気になるのが、傷やへこみの影響。
長年乗っていたら、多少の傷やへこみがついてしまうのは仕方ありません。
結論から言うと、車に傷やへこみがあってもわざわざ直さない方がいいです。
修理にかかった金額分がプラスになることはなく、結果として損をしてしまいます。
この記事は、車を査定する時の傷やへこみの影響についてまとめました。
傷やへこみの種類による違いや査定前にしておきたい準備もご紹介します。
車査定時に傷と変色やシール跡の減額は同じ
画像引用:一般財団法人日本自動車査定協会 加減点基準の組み立て2頁
傷で査定時のマイナスはありますが、実は傷と変色などの減額は変わりません。
査定協会が定めた基準によれば、傷も変色もシール跡も全て減額は同じです。

つまり、車についた傷はそこまで心配する必要がないということです。
大サイズのA4以上であっても、減額は3万円なので修理代のことを考えれば安いですよね。
ついてあたり前の傷は減額されない
中古車という特性上、車庫で保管しておくだけでも車に傷はついてしまいます。
まして、毎日乗っているなら新車のまま無傷ということはあり得ません。
そのため、査定協会でも経年劣化や通常の使用でつくレベルの傷は減額にはしないようにしています。





判断基準は難しいですが、自然につくものなら減額されることはないと考えてOKです。
細かい傷などを全て減点していたら、車の価値が無くなってしまいますよね。
10円パンチや爪に引っかかる傷は減額される
洗車傷や経年劣化による傷は、仕方ないものとして処理してくれます。
ただ、目立つ傷は減額対象です。





傷による減額は傷の深さよりも、広さや範囲で決まります。
減点される傷の範囲
- 減点小 → 1cm以上
- 減点中 → カードサイズ以上
- 減点大 → A4サイズ以上
基本が1cm以上、その上はカードサイズが基準になるため、普通についた傷ではないことがわかりますよね。
傷のサイズが大きければ大きいほど、減額が増えます。
車の傷に関する査定基準と減額
車の傷で減額となる金額は、前述の通り傷の範囲によって変わってきます。
それぞれの範囲による減額の違いを調べてみました。
全体的に洗車傷や目立たない小傷しかない場合は、加点対象となり4万円のプラスで評価されます。
薄い擦り傷や水垢などがある時は、みがき減点として5000円のマイナスです。
【減額なし】爪に引っかからない擦り傷や経年劣化によるもの
車を全体的に見て、傷や汚れが少ない時は減点対象とはなりません。
ただ、ほとんどの車は水垢や洗車傷があるため、5000円のみがき減点は取られることが多いです。
みがき減点を取られるケース
- 爪の引っかからない擦り傷
- 水垢汚れ
- タールの付着
目立つ傷がなく車の状態に自信がある方は、査定前に洗車をしておくとプラス加点になりやすいです。
上記の傷や汚れがある時は、洗車せずに査定に臨んだ方が減額は抑えられます。
判断基準は、爪に引っかかる傷がどれくらいあるかです。
【減額小】爪に引っかかる目で見てわかるほどの傷
減点小のパターン
- カードサイズ未満 → 1万円
- A4サイズ未満 → 2万円
- A4サイズ以上 → 3万円
傷を触って爪に引っかかるレベルであれば、減点対象となります。
傷のレベルについては査定士でなくてもわかるので、実際に手で触ってみてください。





爪に引っかかる傷がどのくらいあるかで、査定前に洗車をするかどうかを決めましょう。
減点になるレベルの傷がたくさんあるなら、あえて洗車はしない方が得策です。
カードサイズ未満の大きさの場合は、それほど気にする減点はありません。
【減額中】さびや変色、シールのはがし跡でついた傷
減点中のパターン
- カードサイズ未満 → 1万円
- A4サイズ未満 → 2万円
- A4サイズ以上 → 3万円
さびや変色、シールのはがし跡なども減点の少ない傷と金額は変わりません。
このパターンでついた傷やダメージは、修理しようと思うと自分ではできないですよね。





カードサイズ未満の傷でも修理代は数万円かかりますが、直した金額の元が取れないためです。
ボディのさびは放置しておくと塗装にダメージがあるため、タッチアップなど簡易的な補修に留めておきましょう。
完全にきれいにしても、査定の時に修理跡として減額されてしまいます。
【減額大】板金修理や交換を伴う傷やへこみ
画像引用:一般財団法人日本自動車査定協会 加減点基準の組み立て2頁
傷より損傷がひどいと判断されるのが、へこみです。
へこみは簡単に修理できず、再塗装など修理に時間がかかり金額も増えます。
小さい1カ所だけの板金では対応できないことも多く、継ぎ目を目立たなくするためにドア1枚になってしまうことも。





板金だけならまだ減額は少ないですが、交換になると減額も増えます。
交換が必要と判断されてしまうと、減額は7万円。
対策は難しいですが、さびなどと同様に修理はしないようにしましょう。
車の査定時にへこみは減額が大きくなる
へこみによる減額は、平均3万円です。
1カ所3万円と聞くとそんなに高くないかなと思ってしまいがちですが、修理すると3万円ではおさまりません。
パネルごとの板金になれば、最低でも5万円以上は必要です。
傷は状態によって自分で直すこともできますが、へこみは業者に依頼しないとできません。
減額が大きいからと言って修理しても、結局修理跡として減額されてしまいます。
へこんだ現状とへこみを直した跡、どちらも減額されるので注意が必要です。
【減額小】目視でわかるへこみや波状の修理跡
修理前のへこみ減点
- カードサイズ未満 → 1万円
- A4サイズ未満 → 3万円
- A4サイズ以上 → 5万円
誰が見てもわかるレベルのへこみは、もちろん減点対象です。
修理する前のへこみは、傷と同じく3種類の範囲で決められています。
傷の減点と違うのは金額で、範囲が広くなるほど傷より減額は増えるのです。





へこみは板金修理した後でも、プロが見ればその場所は特定できます。
直したところにできる波状の修理跡も、見栄えが悪いことから減点対象に。
波状の修理跡は3〜5万円の減額となります。
修理していても、直し方によっては減点となってしまうのです。
【減額大】板金修理の範囲が半分を超えると交換減点となる
板金はスポット的にすることもできますが、範囲が広いと交換になります。
ドアの半分を板金するなら、交換した方が仕上がりも早く安いためです。
交換するときれいなので減点されないかと思いがちですが、実は交換の方が減額は増えます。





へこみは直さず、そのまま査定した方が減額は少なくなります。
車を査定する前に修理はしないことが鉄則
車は、査定前に修理しない方が減額は安く抑えられます。
自分で判断できない場合は、そのまま査定する方が無難です。
修理してしまうと、かかった修理代の元が取れないケースが大半。
そのため、査定前の修理は極力やめておきましょう。
修理する時間と手間も無駄になってしまったら、ショックですよね。
自分で完全に消せる程度の傷なら修理してもOK
唯一の例外は、自分で完全にきれいにできる傷です。
コンパウンドなどでわからないように消せる傷なら、消しておきたいところ。
査定士も小さな傷に目くじらを立てて調べることはしません。
フレーム部や修復歴など、車の価値に直結するところを重点的に見ます。





跡が残ってしまうような場合は、触らない方がいいでしょう。
僕が普段からやっている傷のリペア方法をご紹介します。
自分で車の傷をリペアする方法
爪に引っかかる傷でも、傷によっては自分で直すことはできます。
リペアグッズもオートバックスやアマゾンなどで買えるので、万が一の時用に常備しておいてもいいですね。
傷のリペアグッズ
- 粗目のコンパウンド
- 極細のコンパウンド
- 塗り込み用スポンジ
- 仕上げ用クロス
粗目のコンパウンド、極細のコンパウンド、スポンジ、拭き取りクロスの4つを用意します。
スポンジはコンパウンドとセットでついているもので大丈夫です。
拭き取りクロスはできればタオルではなく、傷つき防止のために目の細かい拭き取り専用のクロスを使用してください。





コンパウンドはボディーの塗装を削るため、やりすぎると色がぼやけてしまいます。
リペア後はツヤ出しのために、コーティングをかけておきましょう。
ポリラックは中古車でも使える簡易コーティング剤で、施工も簡単なのでおすすめです。
お店で修理するレベルの傷やへこみはそのままにしておく
自分でできるレベルならリペアしても問題ありませんが、自分で手に負えない場合はそのままにしておくべきです。
お店や業者に依頼すると、結構な金額がかかります。
しかし、かかった修理費用よりも査定時の減額の方が大きいのです。
わざわざきれいにしても、査定の時マイナスになっていたら意味がないですよね。
事故で破損がひどい場合は直さざるを得ませんが、車を売る前についたものならそのままにしておきましょう。





事故車や廃車だけを専門に買取してくれる業者があるので、状態がひどい場合は相談してみてください。
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車の査定前に傷やへこみよりも気にしておきたい箇所
傷やへこみについては、特に直さずそのまま査定した方が得です。
それよりも査定前の準備として、傷やへこみより気にするべき箇所があります。
自分でもできる査定アップのコツは、車内の掃除です。
内装は査定士が見て判断するだけなので、素人が見た印象とそれほど変わりません。
パッと見て汚れがあったりすると、それだけで減額になるケースが多いのです。
査定基準から、特に査定アップに効果がありそうな箇所をピックアップしてご紹介します。
画像引用:一般財団法人日本自動車査定協会 加減点基準の組み立て14頁
ペットの毛やシール跡・臭いは、努力次第できれいにすることができます。
焦げ跡やヤニなどどうしようもないものをのぞいて、全体的に内装を掃除しておくだけでも評価は上げやすいのです。
掃除機と拭き掃除だけでも効果は期待できるので、今からでも試してみてくださいね。
車査定時の傷やへこみの影響【まとめ】
車を査定するときに傷やへこみはないに越したことはありません。
しかし、長く乗っている以上は傷やへこみがゼロというわけにはいかないですよね。
全てに共通して言えるのは、査定する前にわざわざ傷やへこみを直す必要はないということ。
査定前に必要なことは、内装をきれいにするだけで十分です。
ディーラーや買取業者によって独自の査定基準を設けているところがあります。
傷やへこみについても業者で少し変わるため、念のため2〜3社くらいで査定しておくと確実です。
一括査定
無料で売却予定がなくても使えるので、試してみてくださいね。
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