昔に事故をしたから、修復歴ありになると考える人は多いですよね。
ただ、修復歴車と事故車は別物で、事故をしても修復歴ありにならないケースもあります。
身近な生活で事故をしなくても、修復歴ありになってしまうことも。
この記事は、修復歴の判断基準や査定時の減点額を中心にまとめました。
修復歴車のことがわかっていれば、事故を起こしてしまった時も冷静に対応できます。
査定士資格を持つ管理人が、わかりやすく解説しました。
この記事は動画でも解説しています。
修復歴ありの定義『修復歴車=事故車』ではない
修復歴は、車を査定するときに一番マイナスされる減点基準です。
修復歴の定義について、中古車の査定を司るJAAI(日本自動車査定協会)の査定基準ではこう規定されています。
骨格(フレーム)部位等を交換したり、あるいは修復(修正・補修)したものが修復歴車(事故車)となります。
ここでポイントとなるのは、骨格(フレーム)です。
骨格(フレーム)以外の板金や交換なら、修復歴とはなりません。
[st-kaiwa6]事故をしても骨格を直していなければ、修復歴ありにはならないんだ。[/st-kaiwa6]
普段よく使われる事故車という言葉は、査定上では修復歴車です。
プリウスなどの車両クラスで、50万〜130万ほどの減額となります。
まずここで、事故車と修復歴車が違うということを覚えておいてくださいね。
少しわかりにくい『修理歴・事故歴・修復歴』について、1つずつ解説していきます。
修理歴は車を修理した跡を指す
修理歴は車を修理した跡のことを指す言葉と考えてください。
査定でマイナスになることはなく、通常のメンテナンスも全て含んだ言葉です。
[st-kaiwa6]整備記録簿に書いてあることを修理歴って言うと近いね。[/st-kaiwa6]
消耗した部品の交換など車の修理のことを言うため、減点対象とは関係ありません。
ただ、記載の有無に関わらず整備記録簿がない場合は減点されます。
車検証と同じ扱いになるので、査定前にはあるかどうかを確認しておきましょう。
事故歴は過去に事故をした車のことを指す
事故歴は、過去に事故をしたかどうかです。
今までに事故をしていても、それで修復歴ありになるわけではありません。
事故で破損した内容により、修復歴事故かどうかが決まります。
[st-kaiwa6]骨格まで破損してなければ、修復歴とはならないんだ。[/st-kaiwa6]
事故をしたからといって、事故車=修復歴車にはなりません。
のちほどご紹介しますが、事故をしていなくても修復歴ありになる場合もあります。
車の破損箇所を確認すれば、修復歴かどうかは判断できるんです。
修復歴は車の骨格部分を修理した跡を指す
修復歴は、車の骨格を修理したときに減点される項目です。
わかりにくいですが、簡単な例で言うとドアの交換では修復歴にはなりません。
ただ、ドアの上にあるピラーを修理すると修復歴になってしまいます。
[st-kaiwa6]あくまでも、車の骨格というところがポイント。[/st-kaiwa6]
査定協会が定めている修復歴の判断基準を図解でご紹介します。
ここに記載されている箇所を修理すると、修復歴車となります。
傷を直した程度ではなく、板金や交換が減点対象です。
事故をした時に損傷が大きいと直す事が多い箇所が中心で、必然的に大事故の時は対象となります。
逆に、遅い速度でおかまをほられた場合は、修復歴ありとはなりません。
【事例つき】修復歴になるケースとならないケース
実際の修理事例を交えながら、修復歴になるケースとならないケースをご紹介します。
修理のパターンは無数にありますが、ここでは代表的なものに絞りました。
注意したい事故をしていなくても修復歴になるケースもあわせてご紹介します。
修復歴車になるケース
修復歴ありに該当するのは、ほとんどが大きな事故をした時です。
骨格そのものの修理をする必要があるため、ちょっとした事故では修復歴になりません。
査定基準から見て、修復歴ありになりやすいケースを考えてみました。
[st-mybox title=”修復歴になるケース” fontawesome=”fa-file-text-o” color=”#727272″ bordercolor=”#f3f3f3″ bgcolor=”” borderwidth=”3″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” title_bordercolor=”#757575″ fontsize=”” myclass=”st-mybox-class st-title-under” margin=”25px 0 25px 0″]
- 側面から衝突される
- 天井に何かが落下してくる
- ボンネットが潰れるほどの事故
[/st-mybox]
側面からの衝突はピラー部分が弱いため、ゆっくりの速度でもなる場合があります。
ただ、前面からの衝突はボンネットがひしゃげるくらいです。
車種にもよりますが、エアバッグが開くレベルを1つの目安にしてください。
修復歴車にならないケース
車の損傷次第では、事故をしても修復歴にならないこともあります。
意外に知らない人が多いので、修復歴の判断目安を知っておくと後々有利です。
いくつか修復歴減点とはならないケースをご紹介します。
[st-midasibox title=”修復歴にならないケース” fontawesome=”” bordercolor=”” color=”” bgcolor=”” borderwidth=”” borderradius=”” titleweight=”bold”]
- フロントガラス交換
- ドアの交換
- サイドミラー破損
- ボディの全塗装
[/st-midasibox]
フロントガラスを交換しても、実は修復歴にはなりません。
ガラス自体が車の骨格と定義されていないため、飛び石でも交換でも修復歴減点にはならないんです。
ドアをまるごと交換したとしても、修復歴ではありません。
事故をしなくても修復歴になる場合がある
よほどな修理でないと修復歴になることはありませんが、身近に修復歴になるケースがあります。
それはひょうによるものです。
[st-kaiwa6]状態がひどいと屋根がへこむから、ルーフの板金で修復歴になる。[/st-kaiwa6]
天災はそれほど頻繁にないですが、ひょうは日常的に起こり得る危険があります。
ただ、査定でも気づきにくいので、査定士によってはスルーしてしまうこともあります。
屋根が波打っているほどひどいとすぐにわかりますが、ちょっとならそれほど心配する必要はありません。
修復歴や事故歴は隠してもばれる
車を査定する前に修復歴や過去の事故歴を隠せば、減額されないんではないかと思う人もいるでしょう。
確かに、査定士が気づかなければ過去の修理歴を隠すことはできます。
しかし、車を売却する側には車の状態を申告する義務があるため、嘘はつけません。
万が一隠している事が発覚した場合、賠償請求をされることがあります。
修復歴チェックはネジ跡を見るため隠せない
査定士が修復歴を見落とす確率は、極めて低いです。
修復歴のチェックは、通常修理した箇所のネジを見ます。
[st-kaiwa6]修理をした形跡があれば、ネジにドライバーやラチェットの跡がつくよね。[/st-kaiwa6]
査定士は主にネジの状態を確認するため、ドライバーなどで緩めた跡があれば何かしら手を入れたとわかります。
ネジ跡の次に塗装や板金跡がないかを確認し、どんな修理をしたのか調べるのです。
査定経験の有無に関係なく、見るポイントだけの問題なので見逃すことはそうありません。
修復歴の告知を隠した場合は損害賠償請求の対象になる
過去に大掛かりな修理をしたことを黙って査定したら、告知義務違反です。
契約不適合責任と言って、車を買う側は売る側に損害賠償の請求ができます。
買取が成立した後に発覚すると、業者から賠償請求の措置を取られかねません。
[st-kaiwa6]修復歴減点よりでかい金額を払うことになったら、たまらん![/st-kaiwa6]
車を売ろうとするあなた側には不利なことばかりなので、査定前に言っておきましょう。
査定する車が中古車であなたより前のオーナーがいたなら、わからないで済むかもしれません。
しかし、新車でワンオーナーの場合は素直に話しておいた方が安心です。
修復歴の次に減点が多い『外板価値減点』について
外板価値減点は、骨格とまではいかない複数パネルの交換をした時の減点です。
ネジ止め外板で連続したパネルを交換すると、対象になります。
簡単に言えば、フレームではないけどそれなりに重要な部分を直した跡です。
修復歴とはなりませんが、通常の傷やへこみなどの減点と比べると減点額は大きくなります。
外板価値減点は、平均すると20万円近い減額です。
主に車の外回りの長い(ネジ止めが何カ所もある)部品を交換したり修正した場合に該当します。
画像引用:日本自動車査定協会
ここに書かれている部位は、修復歴とはなりません。
ラジエータコアサポートの交換は数年前は修復歴でしたが、今は変更されていました。
リアフェンダの交換も外板価値減点になるため、通常の交換より減額が増えます。
修復歴や外板価値減点の減額・査定価格への影響
修復歴や外板価値減点は、他の箇所に比べると減額は大きくなります。
傷やへこみだと1〜3万円程度ですが、修復歴になると50万以上の減額です。
修復歴と外板価値減点に分けて、それぞれどれくらい減額があるのかを調べてみました。
車両クラスによって減額は変わりますが、ここでは真ん中のクラスであるプリウスやアクアの減額でご紹介します。
高い車種になるほど減額は増えるので、1つの目安としてください。
修復歴減点があった場合の減額
修復歴ありになると、軽自動車でも40万円の減点となります。
車種が高くなるにつれて金額は高くなり、クラウンクラスになると100万円近い減額に。。
A〜Cで分類されていて、Cに近づくほど減点が高くなります。
外板価値減点があった場合の減額
外板価値減点は、修復歴と比べるとまだ減額は少なめです。
ただ、普通の板金や交換よりは圧倒的に高い減額となっています。
平均して、20万くらいの減額はあるということを覚えておいてください。
国産車より輸入車の方が減額は高い
輸入車の方が部品や修理代が高いため、国産車に比べて減額は高くなります。
先ほど比べたプリウスなどⅢクラスで減額を調べてみました。
国産車 | 輸入車 | |
外板価値減点 | 220 | 530 |
修復歴A | 500 | 1200 |
修復歴B | 800 | 1900 |
修復歴C | 1300 | 3100 |
比較してみると、輸入車の方がかなり高くなっていることがわかりました。
塗装など修理の技術が必要で、直すのにお金がかかるためかと思います。
もちろん、いい車になればさらに高額に…。
輸入車は維持費だけでなく、いろんなところでお金がかかってきます。
修復歴車を少しでも高く売る方法
修復歴車は価値が下がるため、査定額は正直期待できません。
ただ、業者によって修復歴車の販売に強いところもあります。
ガリバーは修復歴車の販売はしていないため、選ぶ業者で査定額が違ってくることもしばしば。
修復歴車は査定拒否されることも多いですが、中には積極的に買取してくれる業者もいます。
できるだけ多くの買取業者に見積もりをする
ガリバーやWECARSなど大手の買取業者は、修復歴車の買取に積極的ではありません。
大手の買取業者は、全体的に修復歴車の販売ルートを持っていないことが多いです。
そのため、査定拒否されるケースも少なくありません。
修復歴車の買取を依頼するなら、できるだけ多くの業者で査定してもらった方が確実。
普段聞き慣れない買取業者の方が、高い値段を提示してくれることもあるんです。
[st-kaiwa6]カーセンサーのような参加業者が多いところがベスト。[/st-kaiwa6]
自分で何個もお店を回るのは時間と手間がかかりますよね。
一括査定サイトから申し込めば、家まで出張査定に来てもらえるので楽です。
[st-mybox title=”詳細情報” fontawesome=”fa-file-text-o” color=”#727272″ bordercolor=”#f3f3f3″ bgcolor=”” borderwidth=”3″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” title_bordercolor=”#757575″ fontsize=”” myclass=”st-mybox-class st-title-under” margin=”25px 0 25px 0″]
[/st-mybox]
事故現状や状態がひどい場合は、専門業者で査定する
事故をしてまだ修理をする前や車の状態がひどい場合は、普通の買取業者では対応してもらえません。
査定できてもまともな値段がつかないことが多く、損してしまいます。
査定拒否されたり明らかに安い値段の場合は、廃車や事故車を専門に買取する業者も使うのも1つの手です。
[st-kaiwa6]廃車買取でも、修復歴車の販売ルートを持ってるところは多い。[/st-kaiwa6]
廃車買取業者は値段がつかない車でも、海外や鉄資源の買取など様々な販売ルートを持っています。
そのため、修復歴車で値段がつかない車も十分買取対象の範囲内です。
ハイシャルなら、どんな状態の車でも0円以上の買取保証つき。
査定拒否されることも少ないので、試してみる価値はあります。
[st-mybox title=”詳細情報” fontawesome=”fa-file-text-o” color=”#727272″ bordercolor=”#f3f3f3″ bgcolor=”” borderwidth=”3″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” title_bordercolor=”#757575″ fontsize=”” myclass=”st-mybox-class st-title-under” margin=”25px 0 25px 0″]
[/st-mybox]
事故で修復歴になった場合は、事故減価額の請求ができる
事故で修復歴ありになってしまった時、相手方の損失であれば減価額を請求できます。
修復歴がつく事故を起こした場合、査定協会に申請すればその事故で下がる車の価値を計算してもらえるのです。
修復歴を伴う事故に遭ってしまった時は、相手に事故減価額の請求ができることを知っておきましょう。
[st-kaiwa6]査定協会が発行する事故減価額証明書があれば、請求可能。[/st-kaiwa6]
最寄りの査定協会へ直接連絡することで、対応してもらえます。
自分の過失で修復歴になってしまった場合は、修理額と査定額を見つつ判断してください。
事故車の買取に強い業者に査定を依頼することで、思わぬ入金があるかもしれません。
[st-card myclass=”” id=717 label=”” pc_height=”” name=”” bgcolor=”” color=”” fontawesome=”” readmore=”on” thumbnail=”on”]
修復歴車と事故車の判断基準【まとめ】
修復歴車は事故車と違い、査定する時には一番減点が大きくなります。
事故車は修理する箇所次第では、修復歴ありにはなりません。
もしあなたが過去に事故を起こしていたら、その時修理した箇所を見直してみてください。
交換部位によっては、大幅な減額を防ぐことができます。
修復歴がある場合は、まずカーセンサーのような業者の参加が多い一括査定サイトから査定をした方が確実です。
面倒なら最初から廃車買取業者で査定すれば、普通の業者よりは高い値段が期待できます。
事故現状車や古い車まで廃車買取業者の対応範囲は広いので、各業者の比較はこちらの記事をご覧ください。
コメント